私が高校生の時の話です。

所属していた吹奏楽部は全国大会にも出場する程の実力派で、部の規則はA4用紙4枚に渡るほどありました。
「大きな声で返事」から始まる規則には「部内恋愛禁止」の文字が。
最大80名程まで増えた部員の10%は男子で構成されており、ハーレム状態、よりどりみどり。なはずもなく、演奏に集中出来るように、部内の揉め事に発展しないようにと決められたものでした。私には無縁と思っていました。ですが、1つ上のパーカッションの先輩に、恋をしてしまいました。

初めは見ているだけでいい、挨拶できるだけでいい、だったのに、先生に誘われて皆でご飯に行くうちに、アドレスを交換するうちに、それだけじゃ我慢できなくなってしまったのです。恋は邪魔が入れば入るほど燃えるもの。私の片思いは、ついに結ばれ、皆に隠れてのお付き合いが始まりました。

中学生の時は恋愛とは無縁で、片思いが楽しいというような状態で、お付き合いは初めて。会えるのは家の中だけだったので、進展するのは早かったように思います。
見つめられることも、頭を撫でられることも、髪を触られることも、キスも、抱擁も、なにもかも初めてで、すぐにそのあたたかさと気持ち良さのとりこになってしまいました。
普段我慢してる分、家に入るとすぐにキス。会うたびに体を重ねる日々でした。時には家影に隠れて、細い路地で、夜の公園で抱き合い、キスをして、行為には至りませんでしたが…お互いを無我夢中で求めていました。ドラムを叩く彼の手つきや腕の筋を見ていると、激しく抱き合ったことを思い出し、一人体を熱くすることもありました。時には、誰もいない音楽室の中で隠れて会ったり、誰にも言えない秘密の恋を2人でいたずらっ子のように楽しんでいました。

彼は相当なドSで、いじわるなことばかりしてくるので、私はその影響で相当なドM、いじめられるのが大好きに。性的な趣味は、初めてお付き合いした人にとても影響を受けるんだなと思いました。今思い返してみれば、高校生なのに随分と大人びたことをしていたな、と赤面する程です。

卒業してしばらくしてお別れしてしまい、もう10年以上経ちますが、今でもまだ思い出すことがあります。それまでに好きな人は沢山いましたが、彼程人を好きになったのは初めてで、初めてだからこそ不器用にしか愛せず、壊してしまった。彼も同じだったと思います。今どうしてるかな、もしまたどこかで出会えたなら…と心のどこかで想う自分がいます。